紫苑「国家幻想破れむ日より一管のまさしき笛とならむ短歌か」

      2021/07/09

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水原紫苑は60歳、2005年に第10回若山牧水賞を受賞した。
歌集「あかるたへ」から、河出書房新社2014年11月30日発行。

「戦争の木と契りつつあまたたるをのこと寝たり養はむため」
「さくらさくら桜わだつみ漕ぎいでて西行く人にふよしもかな」
「戦争の放棄は神のもちえざる思想なるべし人のするどさ」
「みいのちの際に想ほす色ふかみわがスカーフの紫を言います」
「国家幻想破れむ日より一管のまさしき笛とならむ短歌か」

紀野惠さんも文語の和歌を歌っています。

「ああ接吻そのままに日は行かず鳥翔ひながら死せ果てよいま」  43P
若山牧水

与謝野晶子も若山牧水も美男美女ではないが、歌のできは凄い。  44P
叶う人は寺山修司くらいでしょう。

小説は膨大な言葉を費やすことが前提となる表現で、優れた小説はそれまで  45P
書かれたすべてのセンテンスがラストに鳴り響くようなところがある。

その時に得られる感動は、やはり小説ならではのものだと思われる。
短歌の魅力はどのあたりにあるのでしょうか。

「月の夜の暴走族は蜜蜂のダンスを真似て埋立地まで」            47P
穂村弘

紡木たくのマンガに「十五歳、夏、いくつものテールランプを見てた」のような  
モノローグに痺れた。29歳だった。取り返しがつかないと打ちひしがれた。

「あの人と短歌」穂村弘著NHK出版引用

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