本の要約を3分で話すのは、原稿用紙3~5枚に圧縮することだ。

      2021/06/07

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森孝一著「宗教からよむアメリカ」講談社1500円はアメリカという国の   96P
メンタリティを理解するためには絶好である。

アメリカは「見えざる国教」を持つ宗教国家だ。
しかし日本ではアメリカを理解するうえで宗教観が抜け落ちている。

なぜアメリカは世界に自分たちの価値観を押しつけるのか。
どうしてアメリカは「世界の警察官」なのか。

その根底には神から選ばれ使命を与えられた選民思想がある。
アメリカがやることは神の意だからすべて正しいのである。

この考えが建国の時からの国家理念なのだ。
19世紀末に起きたアメリカスペイン戦争からアメリカの宗教的性格が

帝国主義的な海外膨張政策に結びつく。
それから100年アメリカの外交政策はその延長線上にある。         97P

増渕宗一著「茶道と十字架」角川書店1262円は茶道の様式にキリスト教文化  105P
の影響が色濃く残されているという。

利休キリシタン説や利休の娘のキリシタン説などもある。
利休の高弟たちの中に、高山右近をはじめとするキリシタンがいたことは事実だ。

ユニークなのは濃い茶を同じ茶碗で飲みまわす茶道の儀式と、同じ聖杯から
ぶどう酒を飲みまわすカトリックの聖餐式との類似性である。

まわし飲み終えたあと、抹茶椀は茶巾で拭い、それを作法にのっとって
折りたたまねばならないが、その様式が聖餐のあと聖杯を聖布で拭い折りたたむ

作法と酷似しているという。
聖杯そっくりの高脚向付茶碗や、イエズス会の標章に似た文様を持つ十字・釘文

黒織部茶碗などがみつかっている。
この筆者は、リカちゃん人形の研究家である。                 106P

西原克成著「顔の科学」日本教文社1650円ではダーウィンの適者生存論は    111P
マルサスの人口論など当時の社会学に影響されたイデオロギー的見解であって

本当の進化過程を説明していないという。
ダーウィニズムは突然変異と自然選択で進化を説明しようとするが、現実には

孤立した突然変異体は種の中で整理されてしまって生き残れない。
突然変異で種の進化が起こるためには、相当大量の突然変異が一斉に起こらねば

ならないが、それはダーウィンの理論では説明できない。
西原が進化の真の要因としてあげるのは、重力などの力学的作用である。

環境変化に対して生物が力学的な対応をすることによって、生体力学      112P
(バイオメカニクス)的な変化が起き、それによって形態が変化していく。

その変化の様子は、系統発生学の脊椎動物五億年の形態的歴史の中に
刻みこまれており、なかんずく顔の歴史の中に、その進化過程がすっぽり

おさまっているといい、脊椎動物の最古の祖先である「ムカシホヤ」から
顔の歴史を語っていく。

「ぼくが読んだ面白い本・ダメな本そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術」
立花隆著文藝春秋引用

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