畳が長方形にできているのは、部屋に動きを加える意志の表れ。

      2021/03/23

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2藤井萩花

日本文化で茶室こそ「拡がりをもった小さな空間」と見ることができる
感性の世界である。

「六」という数字は1+2+3であり、1×2×3なのでピタゴラス教団はめでたい
数字と捉えていた。

六角形を英語では「ヘキサゴン」フランス語では「エグザゴーヌ」頭のH
が大文字になると自国のことを指す。

フランスの国の形がなんとなく六角形をしているからだ。
イスラエルの王ダヴィデと、その子ソロモンが紋章として使った正三角形

と逆正三角形を重ねたダヴィデの星「六芒星(ヘキサグラム)」は、神の愛
を形にしたものとして、錬金術やカバラの理論書に頻繁に登場する。

ドイツの化学者フリードリヒAケクレは、ある寒い夜、暖炉の前でうたた寝
していて夢を見た。

原子が動き回りながら列をなし、あたかも蛇のようにうねりながら、自分の
尾をくわえて輪になってしまった。

錬金術でいうウロボロスである。
これをヒントにケクレは六個の炭素原子をリング状にすることを考えた。

これが1865年の「ベンゼン環」誕生秘話である。
六つの炭素に一つづつ水素がつくとベンゼンになる。

紀元前二千~三千年の最古の植物文様はエジプトでは、ロータス(蓮)
パピルス、ぶどう、メソポタミアではパルメット(なつめやし)

ロゼット(たんぽぽ)インドでは蓮、中国では葦、クレタでは棕櫚
である。

エジプトのロータスつなぎ文がローマ経由でヨーロッパに伝わり
ケルトの組み紐文様にまで至った。

余白とは空間に生れたリズムである。
かつて武満徹は音とは空間に生じた皺だと語った。

近松門左衛門は「難波土産」のなかで、みずからのドラマツルギーを
「芸といふものは実と虚との皮膜の間にあるもの也」

「虚にして虚にあらず、実にして実にあらず、この間の慰(なぐさみ)
が有るもの也」

多少の誇張や虚構を加えたり、虚構にたいしてはちょっとの真実を加える
ことによって、真実らしさがより強調されると言う。

リアリティとは、虚と実の微妙な間にあって、虚と実の間に起伏をつくり
その境界をあいまいにすることによって、真実をそのまま表現するよりも

強烈な印象を与える、とした芸術論である。
「和力」松田行正著NTT出版参照

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