日本海は最大深度3800mだが対馬海峡は130mの深さである。

      2021/02/16

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日本海には四つの「海峡」がある。
間宮海峡、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡の水深はそれぞれ

約10m、50m、130m、津軽海峡が130mである。
四つの海峡はどれも浅いのです。

日本海に外部の海から流れ込む海流はただ一つしかありません。
それは対馬海峡を通過して流れ込む「対馬暖流」である。

この対馬暖流こそ日本海の命なのです。
対馬暖流の起源の一つは、九州南方で黒潮から分かれたもの

もう一つは、台湾海峡付近から北上し、長江由来の陸水を取り込み
ながら日本海に向かう台湾暖流である。

これら二つの海流が対馬海峡付近で合流し、日本海に流れこみます。
黒潮に比べると、対馬暖流の流量は約10%、流速は4分の1程度です。

この暖流が日本列島の日本海側に温暖な気候をもたらしてくれる。
塩分が高い黒潮の性質を日本海の表面水にのたらすことで、日本海を

上下に攪拌するのに必要な高密度表面水の形成を助ける役割を
果たしている。

対馬暖流はおよそ二カ月をかけて日本海を縦断し、津軽海峡や宗谷海峡
から太平洋、オホーツク海に流れ出す。

対馬暖流の一部は、日本海の北端部すなわち間宮海峡まで北上し、そこで
冷却され、アムール川の寒冷な淡水が加わることでさらに冷たい水塊となり

日本海の北西部をユーラシア大陸に沿って南下していきます。
「リマン寒流」と呼ばれます。

互いに逆向きに流れる対馬暖流とリマン寒流がすれ違う境目は、急激に温度や
塩分が変化する「亜寒帯前線」とよばれ、暖流とともに北上する魚(マイワシ

マサバ、マアジ、ブリ、ハタハタ)などが寒流中の豊富なプランクトンによって
繁殖し、よい漁場となることが知られている。

海水は4°Cで密度が最大になる淡水と異なり、氷点(海水はマイナス1.8°C)まで
冷やせば冷やすほど密度が大きくなる、つまり重くなる性質を持っている。

密度が増加した表面海水は、重力の作用で3000メートルの深層に向かって
沈んでいく。

日本海が産声をあげるのは、今から2000万年前のことである。
約250万年前に地球は氷河期に入り、氷期と間氷期を繰り返し海水準は100m以上も

下降と上昇を繰り返した。
プレートテクトニクスによると日本海の形成よりさらに2000万年ほど遡った時期に

注目すべき大事件が起きます。
それはインド洋を北上していた巨大な陸塊(インド亜大陸)がユーラシア大陸に

衝突し、ヒマラヤ山脈やチベット高原が隆起したわけです。
東向きのマントルの動きは、東アジア全域にわたり大陸地殻に歪みをもたらした。

この歪みによるユーラシア大陸の東端にできた亀裂は「日本海の誕生」につながり
南には南シナ海を作った。

北海道、青森、秋田、山形、新潟、富山、北陸、山陰の大雪はシベリアの季節風と
対馬暖流が流れることで成立したものです。

「日本海」その深層で起こっていること蒲生俊敬著ブルーバックス参照

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