樹木は音に反応し数を数え子供を教育し時間をかけて移動する。

      2020/11/02

DSC08261

DSC06839

森に入って葉の茂る天井である林冠を見上げてみれば
誰にでもわかることがある。

通常、木は隣りにある同じ高さの木の枝先に触れるまでしか
自分の枝を広げない。

隣りの木の空気や光の領域を侵さないためだ。
仲のいい木同士は自分の友だちの方向に太い枝は伸ばさない。

キリンはサバンナアカシアの葉を食べるが、アカシアには迷惑だ。
この大きな草食動物を追い払うために、アカシアはキリンがやってくると

数分以内に葉の中に有毒物質を集める。
毒に気づいたキリンは別の木に移動する。

しかし隣りの木に向かうのではなく少なくとも数本飛ばして100メートル
くらい離れたところで食事を再開したのである。

最初に葉を食べられたアカシアは災害が近づいていることをまわりの
仲間に知らせるために警報ガス(エチレン)を発散しる。

警報された木は、いざというときのために有毒ガスを準備し始める。
それを知っているキリンは警報の届かない場所に立っている木まで歩く。

樹木はまた、どんな害虫が自分を脅かしていることも判断できる。
害虫は種類によって唾液の成分が違うので分類が可能なのだ。

木ののんびりした性格はその繁殖のしかたにも表れていて、少なくとも
一年前から子作りの計画が始まる。

針葉樹は毎年のように種子を飛ばすが、広葉樹はそうではない。
広葉樹には動物の影響がある。

イノシシや鹿はブナやナラの木の実が大好きだ。
木の実の50%ちかくは脂肪と澱粉でできている。

ドイツではブナやナラが種を落す年のことを「肥育の年」と
呼ぶことがある。

地上の姿がどうであろうと、樹木の基本は根にある。
なぜ根が一番大切なのか、それはこの部分に樹木の脳があるからだ。

「樹木たちの知られざる生活」
森林管理官が聴いた森の声 ペーター・ヴォールレーベン著 早川書房参照

 - 健康・美容