「決まってる」と「かっこいい」の言葉は微妙に後者が古い。

      2020/10/24

DSC08327

DSC07396

「かっこいい」が一般に普及したのは1960年代であり、「決まっている」
が使われ出したのはバブル期のことである。

小説家の野坂昭如が1968年に「かっこいい」という言葉が使われ出した
のは、ほぼテレビの普及と時を同じくして、その世界から生まれた。

一種の方言である、と語った。
昔は「かっくいい」とも言った。

三島由紀夫は「どんな時代になろうと、文学が気品乃至品格という点から
評価されるべきなら、鴎外はおそらく近代一の気品の高い芸術家であり

その作品には量的には大作はないが、その集積は純良な檜のみで築かれた
建築のように一つの建築的精華なのだ」と語った。

コムデギャルソンもフェラーリもiphoneも「かっこいい」という言葉を
用いることなしには到底、その魅力を語ることはできない。

複数の辞書は「かっこいい」を「格好良い」「恰好良い」と表記しており
つまりは「恰好(格好)」が良いことなのだと説明している。

「恰」という字は「あたかも」と訓読みするので、読み下すと
「あたかもよし」となり、「ちょうどいいことには」となる。

「かっこいい」を九鬼周造の「いきの構造」のように、置きかえることは
流石に無理がある。

「粋」は「垢抜けして張のある(意気地)、色っぽさ(媚態)だと
言い換えて、遊び上手と表現している」

かっこいい存在とは私たちに「しびれ」を体感させてくれる人や物であるが
真逆の存在は「ダサい」であろう。

「ダサい」は1970年代から関東で使用され、全国に広まった。
関西で使われているかは不明である。

ダンディズムは社会が平和な時しか花開かない。
ダンディの元祖は、19世紀初頭イギリスのジョージブランメルである。

ダンディの第二世代は1830年から1848年の七月王政期であった。
第三世代は十九世紀後半ヴィクトリア朝時代のロンドンに出現する。

代表者はオスカーワイルドだ。
ワイルドの服装は1882年にニューヨークで撮影された写真が有名である。

熊皮の大きなコート、トルグのついたキルティングのジャケットにブランメル風
の大きなネクタイ、トレードマークの二―ブリーチ(膝丈のズボン)、黒い

光沢のあるロングソックス、中分けのロングヘア。
当時は奇妙なものだっただろうが、今なら受け入れられる。

 - 健康・美容