一億円を三人に均等相続すると遺言公正証書費用は10万千円。

      2020/10/01

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世の中にはふざけた男がいます。
明治時代ならいざ知らず、今の世の中で定年を迎えた亭主が妻に

突然分かれてくれと言い出し、愛人をつくり子供までいると告白
したケースで、裁判所でも夫から離婚を訴えても認めてはくれない。

妻がもはや気持ちの上で、一緒に生活できないと思い定めたならば
こちらから財産分与と慰謝料について納得のいく合意をして、違反

したときには強制執行を受けてもよいという夫の「強制執行受諾文書」
を入れた公正証書を作成しておく必要がある。

公正証書があれば裁判を起こさず、簡易迅速に権利の実現を図ること
が可能となる。

慰謝料は、妻があることを知りながら同棲した夫の愛人に対しても
請求できます。

婚外子とは、婚姻外で生れた子という意味です。
日本は2.3%ですが、ヨーロッパは婚外子の比率が高い国が大変多い。

なんとアイスランドは70%、フランスは60%、ノルウェーは56%、スペインは46%
となっていますが、この問題は単純なことではありません。

婚外子に対し国家は手厚く母子の対策を打ちだしています。
特にフランスは熱心で、日本は何もしていません。

婚外子は法律上では嫡出でない子とか、非嫡出子といいます。
非嫡出子にも(1)認知された非嫡出子と(2)認知されない非嫡出子がある。

認知というのは、非嫡出子とその父との間に法律上の父子関係を生じさせる
制度で、任意認知と強制認知があります。

任意認知は父(まれに母)が自分の子だと認める意思表示で、戸籍法の定め
に従って届出をすれば成立します。

強制認知は裁判認知ともいい、父が子と認めないときとか既に父が死亡したり病気
などで認知の意思表示ができないときに家庭裁判所の調停や審判で成立します。

日本は婚姻により子供を産むことを制度法律的にしばるので、結婚したくない
女性は、結果的にこどもを産まずに適齢期を終えてしまうことが起きるのです。

「自己決定権」
憲法十三条は「すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由および幸福追求
に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の

上で、最大の尊重を必要とする」と規定し、個人の尊重が国政の基本であると宣言
しています。

自己決定権というのは、この幸福追求権から導かれる権利で、自分の生き方や
死の在り方は、周囲に迷惑をかけず、法令や社会倫理に反しない限り、自分の意志

で自由に決定できるという権利です。
尊厳死の選択も、この自己決定権から導かれます。

本人が自分で作成した「尊厳死宣言書の著名」を本人のものに間違いないと認証する
ことによって、間接的に書面の内容の真実を推認させるようにする認証の方法また

その書面の記載内容を起立して朗読させた上、内容に間違いないと宣誓させて作る
宣誓認証の方法があります。

「遺言公正証書」について、60歳以上で作成している人の割合は全国平均で約300人
に1人です。

旧民法には家督相続と遺産相続の二種類の相続制度がありました。
家督相続とは、戸主に認められた家産の相続です。(家督とは家政総督という意味)

1946年11月3日に公布され、1947年5月3日に施行された新憲法は第十三条で個人の尊重
第十四条で法の下の平等を宣言しました。

家督相続はこの憲法十四条の精神と相容れなかったわけです。
そして「均等相続制度」に移行しました。

「公正証書遺言」
公証人が遺言者本人から遺言内容を聞き取って作成する方式です。
原本、正本、謄本の三部が作成され、原本は公証役場に半永久的に無料で保存され

遺言者本人には正本、謄本が渡されます。
公正証書遺言は作成する内容によって必要な書類が異なります。

最低限必要な書類は、遺言者本人の印鑑証明、遺言者と相続人との関係が分かる
戸籍謄本(改正原戸籍)です。

不動産がある場合はその登記簿謄本、固定資産税評価証明書が必要になります。
公正証書遺言には証人二人以上の立会いが必要です。

見つからない場合は、公証役場に相談すると証人(見届け人)を紹介してもらえます。
謝礼は一人五千円程度が相場です。

「遺言公正証書」の記載例

令和二年第○○号
遺言公正証書

本公証人は、遺言者丸野角兵衛の嘱託により、証人山野一郎、証人鈴木二郎の立会い
をもって、次のとおり遺言の趣旨の口授を筆記し、この証書を作成する。

遺言の趣旨
第一条 遺言者は、下記の財産を遺言者の妻丸野冬子(昭和二十七年一月十日生れ、以下
    妻冬子という)に相続させる。

一   土地
所在 東京都新宿区神楽坂一丁目
地番 ○○番○○号
地目 宅地
地積 100平方メートル
二   建物
所在 東京都新宿区神楽坂一丁目○○番○○号
家屋番号 ○○号
種類 居宅
構造 木造瓦葺二階建て
床面積 一階 55平方メートル
二階 50平方メートル
第二条 遺言者は、 遺言者の長男丸野一郎(昭和52年5月5日生れ、以下長男一郎という)
  及び遺言者の二男丸野二郎(昭和55年10月10日生れ、以下二男二郎という)に、現金
 (預貯金、株式、社債などの金融資産を換価した代金を含む。以下同)をそれぞれ
  二五〇万円ずつ相続させる。
第三条 遺言者は、遺言者の長女鈴木花子(昭和57年1月10日生れ、以下長女花子という)
  には現金五〇〇万円を相続させる。
第四条 遺言者は、第一条ないし第三条に記載した以外の遺言者の財産の一切を妻冬子に
  相続させる。
第五条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として、妻冬子を指定する。
  遺言執行者は、遺言者名義の預貯金の名義変更、払い戻し、解約など、この遺言の
  執行に必要な一切の権限を有する。遺言執行者は、その権限を弁護士、税理士、司法書士
  行政書士など専門的知識を有する第三者に委任することができる。
 
 

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