少しは上り坂の前半生、下り坂の延々と続く後半生50年間。

   

DSC08234

DSC07845

私が小学校を卒業するころ、昭和40年にならんとする辺りである。
当時はあまだ肉食をしていなかったから、胃がんになることもなく

人間は自宅で60歳になると死んでいった。
60年ちかく昔の話である。

明治政府の統計によると、1892年(明治24)の寿命は男が43歳で
女は44歳であった。

そこから昭和40年まで男の寿命は22歳伸びて、女の寿命は26歳
伸びたことになる。

1960年から現在までに男が16歳、女は17歳伸びている。
仕事が杜撰なことで通っている厚労省は「健康寿命」を2040年に

男が75歳女は78歳にすることを目指している。(3年伸ばす計画)
その間に平均寿命は6歳伸びるので、健康寿命はその半分しか伸ばす

ことにならず、どこまで行っても「6年間の不健康期間」は存在し
続けることになります。(東大出身の官僚はアホ)でしょう。

男性で配偶者がいる割合がもっとも高いのは70代前半で85%らしい。
2010年の統計で大変古い、こんな重要なことは更新したほうが良い。

私は朝の散歩で三軒続きの女性一人住まいのお宅で、60歳代で夫を亡くした
お話友達から男の人は弱いから身体を大切にしてね、と励まされた。

男性の非婚率は70代で3%、80代では1.4%なのだ。
その年代で妻がいない男性は5人に1人の割合になる。

しかし85歳を過ぎた男は3人に1人が男やもめとなる。
日本人に離婚する男女が多いのは、新婚一年以内と結婚7年目以降である。

これは「ポスト育児期」の40歳過ぎてからである。
離婚の選択は圧倒的に女のほうからで、家裁への離婚申立人の7割が女性。

高齢者になった場合は夫婦そろっていたほうが、シングルより長生きする。
しかし6割の女性は夫が先に逝ってくれることを望んでいる。

作家の河野多恵子さんは江戸時代の心中は、人生40年時代(明治時代も40歳)
の産物と喝破した。

感染症で40歳くらいの人がバタバタ死んでいくが、人口は4000万人で
変わらない。

65歳以上で亡くなった人の「寝たきり状態」の平均期間は8.5ヵ月。
これも1995年の調査でとんでもなく古いもの。

250日寝たきり生活はやったことはないが、認知症でない限り苦痛な日々
を送ることになるのであろう。

小泉から麻生政権まで経済財政諮問会議により、2007年度から向こう5年間
にわたって年間2200億円、合計1兆1000億円の社会保障費を削減した。

以来国民はく社会保障費の減少に苦しみ、とうとう2009年には政権交代
が起きたのである。

小泉から麻生政権までの首相経験者は現在65歳から83歳である。
この人たちは自分が要介護になっても介護保険は使わないのであろう。

アメリカほどではないが、高齢者にはメタボが多い。
肝機能障害、高血圧症、糖尿病、内臓脂肪疾患このような病のデパート状態

になって、妻に先立たれたら薬の管理だけで一日が終わってしまう。
60過ぎたら「クオリティオブライフ」が最も重要。

「男おひとりさま道」上野千鶴子著 文春文庫参照

 - 人生