漢字のなりたちや、文字は言葉の器として生まれた。

      2020/06/30

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言葉を視覚化することで、形象化して、言葉のもつ呪態
をそこに内在させることが、その目的であった。

ことばが神と交通する直接の手段であった時代に、言葉を
何らかの方法で定着させようとすることが試みられたが

その方法は容易に発見されなかった。
それで久しい間、上古の人びとは絵画的な方法、たとえば

犠牲の姿や祭儀のようすを描写することなどによって、その
呪的な目的を達しようとした。

オーリニャック期やマグダレ二アン期の、洞窟の奥深く
描かれている動物画は、狩猟の成功を祈る呪的な目的をもつ

ものであったし、イベリアの先史地域の岩壁画、その他の
未開社会に広汎に分布する種々の象徴的な絵画は、いずれも

神がその絵を判読してくれるであろうという期待を似て
かかれたものであった。

人間の祖先は樹の上で生活していた。
やがて樹を下り、草原に出て直立二足歩行をするようになった。

このとき最初の分節化がおこっている。
たとえば手の指を曲げ、親指と他の四本指を対向させた。

そうすると何ができたのか。
まず物がつかみやすくなる。

そして数を数えられるようになる。
これが分節化の威力である。

このように指を折ることをデジットという。
「デジタル」という言葉はここから派生した。

指の分節化は言葉の発生を促したとさえ考えられた。
赤ちゃんのニギニギは、五指対向力の準備である。

言葉の発生についてもっとはっきりしていることは
喉(声帯)の筋肉が分節化できたことである。

分節化は情報編集のプロセスにとって最も基本的な
作業である。

生命の発生は情報様式の発生である。
原始地球のどこかで、最初の情報コードがやわらかい

粘土質に付着したにちがいない。
この情報コードは「生命のメタプログラム」である。

「メタ」とは高次な、超○○であり
メタファーとは隠喩のこと、「雪の肌」がそれである。

先に生命があって、あとから情報が工夫されたのではない。
先に情報があって、その情報の維持と保護のために

「生命という様式」が考案された。
この考案をやったのは、DNAやRNAである。

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