一所懸命でなくてもよいから毎日続ければ10年で物になる。

      2020/06/25

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例えば小説家でいえば、素質というものと、それにより
優れた作品が作れるかということは関係しない。

志賀直哉は素質があると言われるが、優れた作品は
「暗夜行路」だけである。

そもそもゴッホやピカソにおいては、素質の世界を
突抜けている。

自分の子供でいえば、「これは長所だ」と思えるところ
だけ、伸ばしてやれば良いと思われる。

10年続けていれば一丁前なのである。
どんな天才でも10年続けられない人間ならばただの早熟。

素質や才能や天才性を使うのは一丁前になってから。
継続とは不真面目に対応しても構わないことである。

才能は人が認めるものである。
天才でも努力しなければ、実を結ばない。

小林秀雄は批評家として認められてからも、自分には
素質がないと言っている。

大変、微妙な発言である。
自分が道を誤ったと感じているふしがある。

彼はあまり伸びやかな素質はもっていなかった。
とんでもなく努力をしたわけでもない。

自分の職業を長く続けていたら、社会が認めて
しまったということ。

素質がないのは三島由紀夫。
しかし天才である。

これを見破ったのは武田泰淳。
自決したときの追悼文に「この人は刻苦勉励の果てに死んだ」

と書いている。
三島は感度が鈍い。

芥川龍之介は志賀直哉の素質を羨ましく思った。
芥川は刻苦勉励の人である。

太宰治も志賀直哉と小説のことで論争している。
所詮、人生は自己評価の世界である。

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