日本人は縄文時代から「鯨」を捕獲し、様々に利用してきた。
2020/02/04
戦後、日本人の空腹を満たしたのはクジラであった。
戦争に負けたとき人々は飢餓にあえいでいた。
その窮地を救ったのがクジラであり、第二次世界大戦後
GHQのマッカーサー元帥は、1945年沿岸捕鯨を許可した。
そして1946年には南氷洋に出漁することも認めた。
イギリス、ノルウェー、オーストラリア、ニュージーランド
など戦前から南氷洋捕鯨に関与していた捕鯨国は、自国の
権益が脅かされると日本の進出に反発した。
しかしマッカーサー元帥が「南氷洋で捕鯨活動を認めない
のであれば、代わりになる食糧支援、財政支援をすべきだ」
と反論した。
結局、元帥の強硬な意志によって、日本の捕鯨再開は始まる。
戦後の食糧難を救った鯨肉であったが、その主な提供先は
学校給食であった。
1960年、東京都の学校給食費は、一カ月平均で380円。
一食あたり約15円という低予算であった。
鯨肉は栄養価も抜群に高く、値段も安かったので給食制度
の要望を完全に満たしたのである。
クジラ料理の中でも「クジラの竜田揚げ」は人気があった。
私の記憶では、「かまぼこの竜田揚げ」もよく出た。
そんな捕鯨の歴史であるが、かつては南氷洋だけで33万頭近く
もいたシロナガスクジラが今や2000頭を切るまで激減した。
国際捕鯨委員会(IWC)は1963年シロナガスクジラとザトウ
クジラを、1972年にはナガスクジラが捕獲禁止となった。
1982年には一切のクジラ捕獲が禁止された。
それから37年が経過した。
最近の調査では「マッコウクジラ」は200万頭まで回復し
「ミンククジラ」は70万頭余まで増えてきた。
問題はクジラが魚を大量に食べることである。
それも日本人が食べる魚と重なっている。
日本は今年2019年に「国際捕鯨取締条約」から脱退した。
それにしては、市場に出回るクジラが少ない。