脳の進化は人間が発明した完全なる「二足歩行」の御蔭である。

      2020/01/09

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1955年に録音されたデビューアルバムであるJ・S・バッハ
の「ゴルトベルグ変奏曲」を演奏したグレングールドは

亡くなった時、枕元にあった二冊の本が「聖書」と「草枕」
であったことは、よく知られている。

この本は夏目漱石の「芸術論」である。
グールドは草枕のどこを気に入ったのだろうか。

イタリア北東部、アドリア海に面した小さな村セニガッリア
で十三歳から続けている印刷工房の仕事に勤しみながら

週末だけ気の向くまま写真を撮った人がジャコメッリ。
ジャコメッリの写すモノクロ写真の黒色は、魅力と魔力を持つ。

21世紀になるまで、日本ではあまり大きく紹介されることの
なかったジャコメッリの写真。

今では世界的な写真家となった。
写真集は「MARIO GIACOMELLI黒と白の往還の果てに」。

作品の特徴は、光と影の鮮烈なハイコントラスト。
神学校の生徒たちを撮った写真は白と黒の落差が際立つ代表作だ。

マリオ・ジャコメッリの写真について日本で最初に言及したのは
イタリア文学者の須賀敦子である。

べアント・ブルンナーの書いた本に「月 人との豊かなかかわりの
歴史」がある。

太陽の恩恵を人類は直接的に大切なことを理解している。
しかしながら、「月」の存在は理解しきれているとは思えない。

アリストテレスは雲丹を観察していたとき、卵巣が満月のときに
ふくらむ傾向があることに気づいた。

月とは太陽系とは別の場所で生れたという説を唱えていたアメリカ
の化学者ハロルド・ユーリーはアポロ計画について、不吉な羨望で

アポロ11号を見送った。
2009年に無人探査機によって、月に100キロの水があることを確認した。

ダンテの「神曲」の月天で出会う魂は、イタロ・カルヴィーノまで
引き継がれ、月の魅力を語り続ける。

月の影響力は引力による、潮の干満にきわまり、これによって地球は
自転の速さを適度に調節できているのである。

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