美的趣味と豊かな感受性、多様性などの特性を持つ日本文化。

      2019/08/11

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日本には伝統的なお稽古事のうち、今日でも隆盛を
きわめているものが二つある。

「生け花」と「茶道」がそれである。
他のあらゆる日本の芸術と同様、華道では流儀が重要視

され、あまり流行らない流儀を学んでいる女性は寂しい
思いをしない場合にも、時代に乗り遅れたと思いこむ。

古くからの流儀は依然として「天地人」という三つの
高さにのっとった伝統的な生け方を主張するが、現代的な

流儀の中には例えば、巨大なコンクリートの水槽に一輪の
カーネーションを生けるなど、花をほとんど余計もの扱い

する傾向のものもある。
花ばかりか、野菜、枯枝、蔦、草などが用いられ、かくして

女性たちは温室咲きの花に頼らずに、四季をとおして床の間を
飾ることができるというわけである。

茶の湯のお点前の心得があることは、教養ある女性の証である。
茶の湯を賛美する人々は、従来茶道の中に多くの深淵な哲学的

意味を読みとってきたし、宗匠のお点前は、確かに美しく見る者
に深い印象を与える。

茶道の淵源はあらゆる点で禅にある。
抹茶は禅僧たちが中国から輸入したものであり、茶碗をはじめて

作ったのは、別の禅僧が日本に伴ってつれてきた陶工である。
茶室自体が有名な禅僧が座禅を組んだ小屋の末裔である。

しかし今日行われている茶の湯は、本来の形の単なるパロディ
にすぎない。

今日日本の女性が行う大部分のお点前には、ロンドン婦人たちが
注ぐ「午後の紅茶」と同様、格別の精神的意義はないと考えられる。

今日伝統芸術のあるものは、人望を失いつつあり、あるものは西洋
の風に染まりつつあるとき、茶の湯が立派に生き延びていることは

古き日本の気風が失われることを嘆く者には、安らぎを日本の文化の
多様性を評価するものには、喜びを与えるに違いない。

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