生物としての人間の限界と可能性、人間とは何か?

      2019/08/10

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人間とは何か?
自意識をもつ唯一の動物である人間が問うこの問いは

いつも形而上学的な色彩を帯びていた。
存在理由なしには生きがいを失うという奇妙な習性を

持つこの動物は、自分たちを何か特別なものと考える
ことで、尊大な自意識を満足させてきた。

◎空気中の黴菌が眼の中に入るとどうなるのか?
涙が黴菌を殺してくれる。

眼の表面はたえず涙でうるおされている。
涙の中には「リゾチウム」というきわめて強い殺菌力を

持つ酵素が含まれている。
一滴の涙を2リットルの水に薄めても、一種類の細菌を殺せる。

これと似たような細菌に対する人体の防衛機能は、いたる
ところにある。

例えば赤痢菌をガラスの上に置けば数時間生きている。
ところが、清潔な人の手の上にのせると、わずか20分足らずで

死んでしまう。
唾液の中にも消化液の中にも殺菌力のある酵素が含まれている。

人間は常に無数の細菌にとり囲まれて生活している。
いくら身のまわりを清潔にしたところで、空気から食物から

細菌が人間の体内に入ってくることは防御しようがない。
人間には殺菌酵素に加えて白血球の作用があり、侵入した

細菌は通常全滅する。
人間が一番弱いのは、人工の化学毒である。

◎時間と未来の観念をもつのは人間だけか?
たいていの動物には体内時計があり、おのずから時を知ること

ができ、それによって自分の行動を律している。
りすは冬にそなえて食料を集めるが、りすに時間、未来の

観念が存在するわけではない。
体内時計とは時間というより時刻を知るためのものである。

動物と時間の間に存在するものは、本能があるだけで意識的に
未来を慮って行動してはいないのである。

時間を意識することは人間の機能の中でも、かなり高等な
機能に属する。

今日と明日を正しく使いこなせるのは三歳児で、あさって
おとといが解るのは5%の子たちである。

六歳になるとおととし、という言葉は18%の子が理解する。
時間の観念ができあがるのは10歳になってからである。

人間が時間の感覚を持っているのは、言葉を使うからである。

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