茨木のり子「女がひとり頬杖をついて」の精神。

      2018/02/12

2藤井萩花

1森吉山

詩集「倚りかからず」は茨木のり子さんの八冊目の詩集です。
詩集の題名は、できあいの思想にも宗教にも権威にも倚り

かかりたくない、という茨木さんの主張が貫かれ、彼女の
代表作となりました。

茨木のり子さんは1926年大阪生れ、19歳のときに終戦を
迎えた。

1920年東京生まれの詩人石垣りんさんと、ともに私は
二人の詩を良く読みます。

「きよく かがやかに たかく ただひとり なんじ
 星のごとく」

と歌ったのは佐藤春夫です。
茨木のり子そのものです。

怒るときと許すとき
「女がひとり頬杖をついて 慣れない煙草をぷかぷかし
ちっぽけな自分の巣と蜂の巣をつついたような世界の間を
行ったり来たりしながら 怒るときと許すときのタイミングが
うまく計れないことについて まったく途方にくれていいた」

なれる
「おたがいになれるのは厭だな 親しさはどんなに深くなってもいいけれど
三十三歳の頃あなたはそう言い 二十五歳の頃わたしはそれを聞いた
今まで誰からも教えられることなくきてしまった大切なもの
おもえばあれがわたしたちの出発点であったかもしれない」

りゅうりぇんんれんの物語
「風がアカシヤの匂いを運んでくる
或る夏のこと
林を縫う小さなせせらぎに とっぷり躰を浸し
ああ謝謝 おてんとさまよ
日本の山野を逃げて逃げて逃げ廻っている俺にも
こんな蓮の花のような美しい一日を
ぽっかり恵んで下されたんだね」

詩というものは、不思議な文芸です。
小説より短い文章で鋭い思想や自然や恋心を表現できる。

なぜ明治時代までほとんど日本には詩が存在しなかった
のだろう。

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