先進国の低金利が私たちの生活に与える影響。

      2017/11/15

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日本の長期金利は1997年に2.0%を下回り現在ゼロ金利です。
つまり2%以下の金利が20年以上続いていることになります。

にもかかわらず、2017年3月末現在の日本の預金残高は1053兆円
と増え続けています。

借りる人にとっては低金利は魅力的ですが、預ける人には辛いことです。
本来、日本の定期預金金利は歴史的に平均5%で推移していました。

5%の金利がもらえていれば50兆円の金利収入となり、これは消費税分の
2倍の収入額にあたります。

借りる人より預ける人の方が多いので、差し引きすると金利が着かない
ということは国民にとって何のプラスにもならず購買力を落とすだけです。

政府は「マネタリズム」という経済思想のもとに低金利誘導という
金融緩和政策を行っています。

この考え方は「お金の流通する速さが同じであればお金の数量が
物価水準を決める」というものです。

以下のように表すことができます。
貨幣数量×貨幣流通速度=物価水準×取引量

つまり貨幣の数量を増やせば、取引量が増えるか物価水準が上がる
ということです。

もう貨幣の数量を極端に増やし始めてから2年以上になりますが、物価は
安定しています。

どこかに致命的問題と欠陥があるのでしょう。
アメリカもリーマンショック(2008年)以来、金融緩和を続けましたが

貨幣流通速度が落ちたため、物価水準も取引量にも大きな変動は
起きませんでした。

取引量とは消費のことですが、株式取引や土地の売買も含みます。
日本においても同じことが起きていると思われます。

アメリカでも日本でも株式市場が上昇(2017年10月現在)したのは
このことによります。

しかし非正規雇用が40%を超えた日本においては賃金の上昇に関しては
雇用者の立場が弱いので時給が100円上がったくらいです。

もともとの賃金水準が低すぎるので焼け石に水ということです。

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