松本清張の短編小説「顔」に登場する京都「いもぼう」。

      2017/07/29

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推理小説「点と線」で有名な松本清張は、京の寺や風景を
いくつかの作品に取り入れている。

名物料理「いもぼう」は短編小説「顔」1956年と長編
「球形の荒野」1960年に登場する。

煮くずれしやすい海老いもと、煮えにくい棒鱈の
炊き合わせである。

小説は空腹の主人公が、海老いも美味そうに食べるのが
共通シーンです。

その海老いもの「平野家本家」は四条通から円山公園に
入ったところにある。

なぜ清張が海老いもを小説に取り入れたかは戦後の食糧難
がからむ。

清張は1947年ころ京都を訪れている。
下積みの苦しかった時代に、いもぼうで腹を満たしたことが

忘れられない味になったのだろう。
推測である。

「いもぼう」という老舗は1700年代、平野家初代当主が
仕えていた宮様が九州から持ってきた唐いもを育てたことに始まる。

海老いもと鱈は相性が良い。
鱈は北前船だろう。

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