唐詩と「蘇東坡」の赤壁の賦。

      2017/07/19

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「赤壁の賦」
壬戌(じんじゅつ)の秋、七月既望、蘇子客と舟を泛べて
赤壁の下に遊ぶ。
清風徐(おもむろ)に来り、水波興らず。
酒を挙げて客に属(しょく)し、名月の詩を誦し、窈窕(ようちょう)
の章を歌う。

赤壁の戦いにおいて魏の曹操は呉軍に大敗を喫し
歴史の転換点となった。

赤壁の戦いは208年のことで
蘇東坡が長江に舟を浮かべて友人と酒を酌み交わしたのは1082年です。

蘇東坡には「赤壁懐古」という詩がある。
人生夢の如し 一樽還た江月に酹(そそ)ぐ

蘇東坡の人生は官職を追われ、罪人となったが
貧困のなかでも酒と詩をよむ人生であった。

「子夜呉歌」
長安 一片の月
万戸 衣をうつの声
秋風 吹いて尽きず
総べて是れ 玉関の情
何れの日か 胡虜を平らげ
良人 遠征をやめん

玉関から(玉門関)出征し遠く西域で戦う夫を思う女性の心情を
子夜という女性による呉の古い民謡に合わせた李白の詩です。

李白は701年生れ。
唐代の人で、杜甫と並ぶ代表的詩人でした。

「曲江」
朝より回(かえ)りて日日に春衣を典し
毎日 江頭に酔を尽して帰る
酒債 尋常 行く処に有り
人生 七十 古来稀なり

七十歳を古稀というのはこの詩からきています。
作者杜甫は712年生れ。詩聖と称される。

亡くなる年、杜甫は次の詩を詠みました。
雲は白く山は青くして万余里
愁え看る 直北は是れ長安

770年のことです。

 

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