1995年以降、若者と高齢者の個人消費金額の推移。
2021/01/06
日本の現在のGDPは500兆円を超えたあたりです。
その内、個人消費は約300兆円です。
1995年当時は255兆円で、2000年が270兆円、2014年が
ピークで314兆円です。
20年間で約50兆円伸びたわけですから、年になおすと
ほぼ年間1%増えたことになります。
人口が減りだした日本において考えれば、消費財も飽和状態
だし、特にいるものも無いわけですからこんなものでしょう。
ただ、一つきわだった特徴があります。
それは60歳以下の消費が減少し、60歳以上の消費が増加していることです。
単純にいうと、個人消費の50%は60歳以上の人が支えています。
60歳未満の人は1997年、180兆円消費したが、現在は125兆円です。
逆に60歳以上の人は1997年、62兆円だったものが現在120兆円です。
これは、20年間の統計としては際立ったものと言えるでしょう。
60歳以上の人が特別たくさんのものを食べるわけがないし、何か特異な理由が
あるはずです。
高齢者のなかでも消費額が多いのは、60歳から69歳の人たちです。
そして、使い道は「健康と孫」です。
もう一つの特徴は、高齢者の消費が伸びだしたのは2010年以降です。
私が思うに、相続税が引き上げになったことで「都心のマンション」
を購入する動きも高齢者の消費を伸長させている原因になっている
のではないかと思います。
世代的に逆の動きを捉えると、20代や30代の特に男性に昔とは違う
傾向が如実に出ています。
私が20代から30代のころは、お酒も良く飲んだし、自動車も6年に
1回くらい買い替えました。
それが現在、若者は車を買わなくなった。
お酒もそんなに飲まなくなりました。
社会学をやっている学者や、消費を研究している人は「悩ましい事」
のように考えているようですが、これだけ給料の伸びが低く将来が
見通せない世の中であれば当然のことでしょう。
しかし、それでも「イケア」や「コストコ」などは女性に大変人気が
あるという事は、店の構成や独自の販売努力をしなければ見向きもされない
時代になったということなのでしょう。