「イチロー」の外野守備とインスティンクト(センス・本能)
2017/04/22
「イチロー」は1973年10月22日生れ。
日本人初の野手として「シアトル・マリナーズ」に入団。
イチローの打撃や走塁はもう誰もがその素晴らしさを認識
していますが、もう一つ見逃せないのが「守備」です。
イチローの守備と守備範囲は最上級の8ランクです(2009年現在)。
守備はゴールドグラブ賞8回の名手で、「ケン・グリフィージュニア」
に次ぐメジャー最高の右翼です。
左右どちらの方向でも打球の飛びつきが素晴らしく
インスティンクト(センス、本能)が非常に優れています。
打球の落下地点に走る生来の能力も大変高い。
守備範囲は捕球間際のスピードが卓越しており、前進時も後進時も
非常に安定したルートを取って打球を追います。
イチローは守備力で試合を変えることができる選手です。
今日はイチローの技術を考えてみましょう。
人間はものを認識するとき「予測」でつないでいます。
天才イチローでも弾がどこからくるか予測できるから
打つことも捕球することもできるわけです。
人間の動作は必ず「ウネリ」のあとに、身体の動き、技がついて
くると相手は考え身構えます。
しかしウネリを抑えてしまうと、きっかけが察知できず動作の
脈絡が途中で切れた動きになります。
結果、相手は反応できません。
人間の脳の機能の大部分は「同時並列処理」を繰り返して
います(無意識)。
ところが意識的に思考すると「直列処理」になります。
言葉は直列処理です。
ここが脳のわかりにくいところで、並列で動いているものが
直列で論理を作り出すということです。
頭で学ぶ学問の基本の概念と身体の技の基本概念は違うものです。
ここが現在の学校教育に備わっていない欠点です。
武術家の甲野善紀さんは、子供の興味さえ引き出してやれば教育において
5年かかるところを1~2年でマスターできるといっています。
本当に必要なのは教育ではなく、興味を引き出し「見る」「学ばせる」
ということです。