「普段使いの言葉」実は由来を知らないものが色々と。

      2019/02/12

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何気なく使っている言葉でも「いわれ」を知らないもの
は結構あるものです。

高いお金を払わされることを「ボラレル」と言います。
当然私は由来を知りませんでした。

この言葉の歴史は1918年に遡ります。(100年前のことです)
第一次世界大戦後のことでした。

米価格が高騰し、売惜しみ、買占めが横行した時代です。
富山県魚津市から始まり全国に「米騒動」が広がりました。

政府は「暴利取締り令」を制定し沈静をはかります。
この「暴利」が動詞化して「ボル」「ボラレル」となったものです。

ボッタクリバーも同様です。

歌舞伎好きの人はすぐに解ることですが「十八番」を「おはこ」と
呼びます。

1832年3月7代目市川団十郎が息子に8代目を襲名させて自分は
海老蔵を名乗りました。

この時市川家得意の出し物、十八番を公表しました。
その十八番演目を「箱」に納めたことで「おはこ」と呼ばれました。

この中で一番有名な演目が「勧進帳」です。

漢字に小さく振り仮名することを「ルビ」といいます。
これは英語の「ruby」で宝石のルビーのことです。

明治時代に英国印刷技術が導入された時、イギリスでは活字の大きさ
をダイヤモンド、サファイヤなど宝石名で呼んでいました。

この小さな振り仮名の活字の大きさはルビーだったわけです。

2鴛鴦

「オシドリ夫婦」とよく言います。
仲が良い夫婦とされますが、鴛鴦が特別仲が良いわけではありません。

この言葉の由来は故事によります。
中国は宋の時代、韓憑(かんぴょう)という男が王に妻の何氏(かし)

を奪われ失意のあまり自殺してしまった。
これを聞いた妻は夫と合葬するよう遺言をのこし後を追いました。

これに腹を立てた王は「死後も愛し合うというなら塚を一つにしてみよ」
と言って別々の墓に葬った。

するとそれぞれの塚から「梓」が生えてきて2本の木は寄り添う
ように絡まりあった。

その樹上には鴛鴦が住みつき悲しげに鳴いたという。
鴛鴦は韓何夫妻の生まれかわりと伝えられた。

そしてこの事を「鴛鴦(えんおう)の契り」といいます。

機会を逃すことを「後の祭り」といいます。
では「前の祭り」はあるでしょうか。

じつは「祇園祭り」には1966年まで「前の祭り」と「後の祭り」
があり、2回にわけて行われていました。

前の祭りが「宵山」「山鉾巡行」であり、後の祭りには目玉はなかった。
これではつまらない。50年前になくなりました。

大工の親方は「棟梁」と呼ばれます。
「棟(むね)」は屋根の一番高いところにあり、「梁(はり)」は

柱と柱を結ぶ横木のことです。
どちらも日本家屋の最重要な所です。

この二つを合わせて棟梁と呼びます。

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