ギリシャ神話「パンドラの壺」を開けた現代社会

      2019/03/25

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昔ギリシャにプロメテウスとエピメテウスの二人の兄弟が
暮らしていた。

プロメテウスは「前もって考える」人であり、エピメテウス
は「後で考える」人であった。

ある時エピメテウスが一人で家にいると門の前に美しい女性
が立っていた。

「あなたは誰だい」
「私はパンドラ」

「私は女性です、大神ゼウスからあなたに贈られてきた
プレゼントなの」

見たこともない美しい女性パンドラを見てエピメテウス
の心はたちまち高鳴った。

薄絹の下には乳房がなだらかな曲線をのぞかせている。
パンドラは家に少しだけ入れて欲しいという。

かねて兄のプロメテウスからは「ゼウスの贈り物には
ろくなものはないぞ」と教えられていた。

しかし何分にも彼は「後で考える」人であった。
エピメテウスは彼女を家に招き入れた。

パンドラは愛の技法を持ち合わせていた。
唇を近づけ、胸をはだけるとエピメテウスは戸惑いながら

性の喜びを知ることになる。
エピメテウスはパンドラを抱きしめ官能に酔いしれる。

パンドラは地上に降りてくるときに、壺を携えていた。
エピメテウスはその壺を見て、パンドラに聞いた。

神様に貰った壺で決して開けてはいけないと言われて来たという。
しかし貰った壺のことが気になっていたのはパンドラである。

「決して開けてはならない」と命じられていたが、覗いてみたくなる。
ある日エピメテウスが出かけたとき、彼女は我慢できなくなり

壺の封を切りそっと蓋を動かした。
瞬間、壺の中からもやもやと怪しいものが立ち昇り四方にとんだ。

彼女はあわてて壺の蓋を閉じたが、遅かった。
壺の中は殆ど飛んで、その底にたった一つの物が残っただけであった。

壺の中から飛んだものは「病気・悪意・戦争・災害・暴力」など
ありとあらゆる悪であった。

たった一つ壺の中に残った物は「希望」であった。
それまで地上には邪悪なものは何一つとしてなかった。

悪は地上に蔓延し人間は不幸に身を晒さねばならなかった。
ただ一つ「希望」だけが残った。

私たちが希望だけを拠り所として生きていけるのは、このためである。
とギリシャ神話は私たちに教えている。

日本という国は戦争に敗れ明治維新以来の形をリセットしました。
廃墟の中に民主主義と国民主権が生まれ奇跡的に存続した。

存続した後も奇跡が起きます。
1945年から30年余で世界第二位の経済規模の国になりました。

この後日本は「Japan As No1」などと言われ驕ってしまう。
実はこの時に様々なデータや社会趨勢が国力の天井を打っている。

しかし日本国民は懸命に働き蓄えを残したので、現在も国を維持する
ことができている。

ここからは本当に「パンドラの壺」が開かないうちに国の行く末の
姿を見据えなければ、「希望」も無くなるかも知れない。

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